Perl6からもう1つ学ぶことができる教訓は、「Second System Syndrome」、第2システム症候群。これが学ぶことができる教訓だと思うんですね。

なにか物がうまくいかなくなった時、なにか新しいことを始めましょうと、今までの土台を捨てて同じようなものを全部作り直して、それによって目的を達成しよう、みたいな気持ちになるわけですね。これは自然な感情だと思います。

それによって、私たちが今感じているすべての問題をいっぺんに解決しようと思うんですね。こういうのをSecond System Syndromeと言います。

こういうスクラップ&ビルド、なにもかもすべて捨ててしまって新しく作り直そうというのは、みんな考えることではあります。世の中のシステムやプログラミング言語も含めて、まったく新しいバージョンを作りましょう、やり直しましょう、みたいなことを言いたくなるケースはたくさんありますが、うまくいったことはほとんどないんですね。

だからスクラップ&ビルドというのは、システムに関しては実は悪いアイデアなんですね。そうではなくて、段階的に進歩、進化していく必要があるんですね。