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続き
その後、前田さんが少し震えた声で「私からお話があります」と告げる。ただならぬ雰囲気に会場はどよめき、前田さんが泣き出したのを見ると一転して緊張した空気が流れました。隣にいた盟友の高橋みなみさん(当時20歳)も、何かを悟ったように涙を流し始めました。
前田さんはファンに向けて「私、前田敦子はAKB48を卒業します」と、自ら卒業を発表しました。
前田さんが泣き声を振り絞ってこう言うと、ファンからは一際大きな「えーっ!」の声があがりました。
前田さんは卒業を決めた理由について、「東京ドームの発表があって、14歳の頃からみんなで夢見てきた、その夢が叶ったと、とても感動しました。それと共に、20歳の夢に向かって、歩き出さなきゃいけない」「ここにこうして、たくさんいる後輩のためにも、私が卒業して、歩き出さなきゃいけない」と思ったからだといいます。
「私は昔から感情の起伏がすごく激しくて、メンバーにもたくさん迷惑をかけてしまいました。そして、ファンの皆さんにもたくさん心配をかけてしまったと思います。それでも私なりに頑張ってきた6年半でした」と、AKB48の「前田敦子」としての歴史を振り返った。胸に手を当てて、何とか気持ちを落ち着けながら発表しようという気持ちがあふれていました。
 高橋さんは涙をこらえながら「たくさん苦悩する姿、涙する姿、笑っている姿、全部見てきました。だから皆さん、敦子は一時の感情で言っているわけではないということをわかっていただきたいなと私はすごく思います」「たくさんいろんなものを背中に背負ってきた敦子を、温かく見送ってほしいなと思います」とファンに訴えました。
全員がステージからはけた後に前田さんが1人残り「本当にありがとうございました!」と叫ぶと、ファンからは惜しみない「あっちゃん」コールが送られた。2009年に行われた第1回選抜総選挙でアンチから前田さんに浴びせられた「前田」コールが、およそ3年の時を経て卒業を惜しむ、未来を応援する、温かな声援に変わっていました。